【はじめに】
私は革製品の製作/販売を生業としております。
今回、コバ処理について自分なりにまとめてみようと思ったのは、革製品においてコバ処理がとても重要な作業工程であるからです。
コバの仕上げ具合を見ると、その革製品を製作された職人さんの仕事に対する姿勢や想いが伝わってまいります。
外観の美しさ・製品の耐久性を向上させるコバ処理。
このサイトでは、そんなコバ処理についてまとめてみました。
まず初めにこのページでは、コバ処理を行う際に最低限理解しておくべき知識について解説していきます。
【コバってなに?】
そもそも「コバ」とは何なのか?
革職人/レザークラフト業界においては、一切何の疑問も持たずに使うこの言葉。
しかし思い返せば、私も最初に聞いた時には意味など分かっていなかった。
むしろ、人生で初めて聞いた。
そこで改めて「コバ」について整理してみました。
コバ=革の切り口/裁断面
一言で言うと、コバは革の切り口/裁断面です。
「コバ」って不思議な言葉だなと思って調べてみたところ、どうやら元々は木の裁断面、つまり”木の端”からきている言葉とのこと。
木の端 → 木端 → コバ
言われてみると、ベニヤ板の裁断面(木端)と革の裁断面はそっくりです。


これは似ている。
色の違いはありますが、どちらも繊維が集まって形作られていることが確認できます。
「コバ」という名称の由来に納得ですね。
【では、コバ処理とは?】
ではコバ処理とは、一体コバの何をどのように処理するのだろうか?
一般的に本革と呼ばれる革は、生きていた動物や魚類の”皮”を原材料としております。
その皮は、そのままの状態では当然腐敗してしまいます。
そこで、それらの皮が腐敗してしまうのを防ぎ、同時に艶や柔軟性を持たせるために皮に対して行われる作業のことを「鞣し」と言います。
鞣しという作業工程により”皮は革”へと生まれ変わるのですが、生き物の革というものには細胞/繊維があります。
その繊維が、革の裁断面(コバ)で毛羽立ってしまうと見た目や手触りがよくありません。
また、繊維がむき出しのため耐久性においても不安が残ります。
そこで、見た目や手触り・耐久性の問題を解消すべく行われる作業が「コバ処理」です。
コバ処理をすることで得られる効果は、主に3つあると私は考えております。
【コバ処理の効果】
1.コバが美しいと、革製品の見た目が良くなる
2.コバ処理してあると、革製品の手触りが良くなる
3.コバが美しく処理してあると、革製品の強度が向上する
以上3点が、コバ処理を行うことで得られる効果であると言えます。
また、上記3点の他にも重要な点が存在します。
それは、コバが美しく処理してあるということは、他の工程も手を抜かず丁寧に作業(製作)されている可能性が高いという点です。
これは革製品を購入する際の良い判断材料にもなるのではないでしょうか?
そのコバ処理、革の種類(鞣し方法)の違いにより3種類の方法が存在します。
急いでコバ処理方法(手順)を確認したい方は、下記よりご参照ください。
別記事にて詳しく説明しておりますが、コバ処理を行う際にはさらに必須の知識として「鞣し」というものについても理解をしておく必要があります。
この「鞣し」という用語は、今後革業界に身をおくにあたり非常に重要な用語となります。
【まとめ】
コバ処理を行うにあたり知っておくべき最低限の知識。
コバは、「革の切断面(切り口)」であるということ。
そしてコバ処理は、「コバの見た目・手触り・耐久性を良くするために行う作業」であるということが分かりました。
私自身、この革業界(革製品の製作・販売)に入る前は見たことも聞いたこともない言葉でした。
世の中にある様々な職業。
その業界内では当たり前の業界用語はおそらく、私が知らないだけで数限りなく存在していることでしょう。
革業界に足を踏み入れたなら知っておきたい、いや知っておかなくては仕事にならない「コバ/コバ処理」について書いてみました。
このコバ処理という言葉を理解しておくと、革製品を購入する際にも役立ちます。
これまではブランド名や、使用している革の種類までは気にしていたかもしれません。
そこにもう一つ、「コバの仕上がりを見る」という観点を加えると違う世界が広がるかもしれません。
時間や手間・コストをかけて行われるコバ処理。
そこにこだわる職人さんやメーカーの生み出す革製品なら、きっと素晴らしい革製品との時間を与えてくれます。
コバ処理とは、生み出す革製品への愛の深さをはかるものでもあります。