【はじめに】
ここでは、コバ処理を行う際に使用する溶剤類をご紹介いたします。
長くなりますので、コバ処理に使用する道具/工具類は別記事にて紹介しております。
ご紹介するコバ処理溶剤は普段、私がコバ処理をする際に使用しているものです。
コバ処理を行う際は、革の種類・革の鞣し方に応じて数種類の溶剤を使い分けていくことになります。
先に申し上げておきますと、私の使用しているコバ溶剤は特に珍しいものはなく、世の中で普通に販売されている溶剤ばかりです。
色々な溶剤を試して混乱するよりも、その溶剤の特性を知り、使いこなすことの方が大切なのかもしれません。
【コバ処理に使用するコバ処理溶剤】
トコフィニッシュ

コバや床面を磨く際に使用する、コバ・床面磨き剤です。
透明で少しとろみのある溶剤です。
CMC(粉末)

CMC(粉末)は、自分で水・お湯などに溶かして使用するコバ・床面磨き剤です。

溶かす際の分量は製品に記載されておりますが、あくまで参考程度に考えて自分の理想の濃度を追求してみるのもいいですね。
ドロドロにするか?サラサラにするか?
ちなみに、水またはお湯に粉を入れてから溶けるまでには、だいたい1日ぐらい時間がかかります。
無理にかき混ぜても、玉になって上手く混ざりません。
余裕を持ってCMC(粉末)は仕込んでおきましょう。
クラフト染料

コバを染色する際に使用する染料系のコバ着色剤です。
薄める際は水で薄めることができます。
小さな容器に少しずつ移し替えて使用しております。
染料系のコバ着色剤は、主にタンニン鞣し革のコバを着色する際に使用します。
コバコート

コバコートは、上記クラフト染料を取り扱うクラフト社が販売している顔料系のコバ着色剤です。
染料系のクラフト染料は繊維に浸透し染色するイメージですが、こちらの顔料系のコバコートは、コバに薄い樹脂の膜を作りコバ表面にのっているイメージとなります。
タンニン鞣し革/クロム鞣し革の両方に使用できますが、私は顔料系のコバ着色剤は主にクロム鞣し革のコバ処理に使用しております。
レザーフィックス

染色/着色した後に使用する仕上げ剤。
こちらのレザーフィックスは、主に染料染色したコバの色止め剤として使用しております。
レザーコート(つやあり)

染色/着色した後に使用する仕上げ剤。
先程のレザーフィックスよりも光沢があって、少し厚い塗膜が作られるように感じます。
レザーコートは、顔料系コバ着色剤の色止め/塗膜保護を目的に使用しております。
乾燥後は、透明で光沢のあるコバに仕上がります。
レザーコート(マット/つや消し)

先程のレザーコート(つやあり)が艶のある仕上がりになるのに対し、こちらは艶消し仕上げになる仕上剤。
コバに薄い塗膜ができることから、顔料系コバ着色剤と合わせて使用します。
艶消し成分が容器の下の方に溜まっているので、使用前には良く混ぜておきましょう。
そうしないと、使い始めのころと使い終わりのころで艶消しの具合が変わってきてしまいます。
コバ処理のクオリティを安定して保つために、面倒でもちゃんと混ぜるようにしましょう。
GIRADINI エキストラマット トップコート

レザーフィックス/レザーコート(つやあり)/レザーコート(マット・つや消し)と同じ、コバの仕上剤です。
先の3種類の仕上剤よりも、厚い塗膜をつくります。
こちらはマットタイプで、つや消し仕上げとなります。
溶剤の濃度が高く、塗り重ねることにより塗布面はかまぼこ型になります。
コバを傷・衝撃から守ってくれる、厚めの塗膜に仕上がることが出来ます。
マスタングペースト

コバ処理剤とは少し違うかもしれませんが、保革用・100%馬油成分のマスタングペーストです。
通常はその名の通り”ペースト状”ですが、気温の高い日などは表面が溶けて液状になっていることがあります。
詳しくは分かりませんが、使用されている馬油の質(純度)がいいからだと信じております。
【まとめ】
以上が、私が現在使用しているコバ処理溶剤となります。
過去には、コバ・床面磨き剤で有名な「トコノール」を使用していたこともありました。
仕上がりはトコフィニッシュとほぼ変わらないのですが、どうもトコノールの匂いが好きになれず、現在はトコフィニッシュを愛用しております。
どのコバ処理剤も販売メーカーさんの研究の結果、甲乙つけがたい素晴らしいものです。
あとは使い手である私達の、日々の技術力向上・研究により美しいコバを実現させるだけです。
自分が理想とするコバへ辿り着くため、自分に一番しっくりくるコバ処理剤を見つけ出しましょう。