卓上工具箱 平
卓上工具箱 平

はじめに

私は、革製品の製作/販売を生業としております。

自分の製作した財布や鞄/革小物が、日本全国様々な地域のお客様の元へ旅立つのを見守ってまいりました。

「商品は気に入っていただけただろうか?」と不安にもなりますし、「あの商品は、しっかりお客様の元で頑張っているだろうか?」とお届けした後も心配になります。

まるで、我が子の無事を祈る親のような心持ちになるんです。

 

今まで一度も訪れたことのない土地へ、数日前まで自分の手で製作していたものが届けられる。

そして、その私の知らない土地や町で、お客様の手に取られ時間を共にする。

そう考えると、何だかとても不思議な気持ちになってきます。

 

そうやってお客様の元へとお届けした革製品。

できれば永くご愛用いただきたいと思っております。

そのためには、見た目にも美しく・手触りや使い勝手も良く・強度(耐久性)の高い革製品を作っていかなければなりません。

これはそのまま、私自身が永く使い続けている愛用品に共通する3要素でもあります。

【愛用品3要素】

・見た目が美しい(デザイン面)

・手触り/使い勝手が良い(機能面)

・高い強度(耐久性)

この3要素を、革製品で実現するために欠くことのできない作業、それが「コバ処理」なのです。

 

美しいコバを求めて~ ゴールの見えない コバ処理の世界へ~】

コバ処理の世界にある正解は、一つではありません。

革製品のコバ処理をされたことがある方なら分かると思いますが、なかなか自分の思ったような仕上がりにならない時があります。

その時、ふと気づきます。

「美しいコバを求めて~ゴールの見えない コバ処理の世界へ~」

この世界に入り込んでいることに。

 例えば、タンニン鞣し革のコバ処理。

基本的なコバ処理の流れは、タンニン鞣し革のコバ処理方法(手順)で紹介しているもので間違いはないはず。

しかし、何故か理想的な仕上がりにならない時があります。

 

これは、クロム鞣し革やコンビ鞣し革のコバ処理でも起こります。

クロム鞣し革のコバ処理方法(手順)コンビ鞣し革のコバ処理方法(手順)通りにコバ処理を進めており、いつもならそろそろ目指している美しいコバに仕上がるのに、何故か仕上がらない。

これらの状態 = 美しいコバを求めて~ゴールの見えない コバ処理の世界へ~

このコバ処理の迷路に迷い込んでしまうことって、恥ずかしながら結構あります。

ゴールが見えずに苦しむことは多いです。

「このまま作業を繰り返しても、同じ状態を永遠に繰り返すだけなのではないだろうか。」と。

そんな心が折れそうになる状態の時には、お客様に永くご愛用いただくには美しいコバが必要だと、再び気持ちを入れなおして作業を行います。

「まぁ、こんなもんか。」と妥協することは、お買い上げいただいたお客様に対してはもちろん、職人である自分に対しても失礼なことです。

一度妥協してしまう癖が付くと、その妥協した仕上がり具合が自分の基準になってしまいます。

 必ず自分は美しいコバに仕上げることが出来るのだと、諦めることなく自分の腕や感性を信じることが大切ですね。

まとめ

本革は、生きていた動物や魚類の皮を鞣して生まれたものです。

同じように鞣しの作業を行っても、元々の皮に個体差(個性)があります。

例えば牛などの角を持つ動物ならば、喧嘩による傷があっても何も不思議なことではありません。

それは魚類である鮫・エイとて同じこと。

人間も生きていれば怪我をしますよね。

また、その肌質もそれぞれ違うのは当たり前。

コバ処理は、そんな一枚一枚違う革の個性に合わせて少しずつ微妙に調整する必要があるのです。

それだけを考えても、マニュアル通りの作業で、全ての革(コバ)を美しく仕上げることが出来るはずがありません。

コバ(革の切断面)のほんの少しの異物や、革の貼り合わせの段差の違いだけで仕上げに手間取ることもあります。

同じように見えるコバでも、実際に作業に入ると違いが顕著に現れます。

コバ処理とは、本当に正解に辿り着くのが難しい作業です。

まさに、ゴールが見えない・確実な正解のない世界なのです。

そんな奥深いコバ処理の世界を、皆さんと共有したくサイトを作りました。

私もまだ確実なゴールを見つけられずにいます。

そして美しいコバを求めて、今日もコバと向き合います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者

コバ処理.com

革職人(革製品の製作/販売) ネットショップも運営中 鹿児島で手作り!!三つ折り財布一本勝負の店|みつおり屋さん

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